「コミュ障」の社会学.jpgさまざまな「生きづらさ」を抱えている人の現場。不登校、いじめ被害、ひきこもり、ニート、不安定雇用、メンタル不調、貧困・・・・・・。貴戸さんは「子ども・若者と社会とのつながり」を「生きづらさ」の観点から探求する社会学者。御自身が小学校時代を学校に行かずに過ごした当事者だという。社会とうまく馴染めず、"漏れ落ちた"人が感じる「生きづらさ」について、「コミュ障」「不登校」という現象から考察する。

1980年代、不登校は病理・逸脱であるとされ、対応は「学校へ行こうよ」との登校強制が主流であった。しかし、学校信仰は揺らぎ、不登校への偏見は弱まり、学校は相対化されるようになった。次いで「学校に行かない結果」の不利益・リスクを語る「その後」問題が注目され、就学・就労、さらには「社会とつながる」ことそのものの意味を捉え直す位相へと進む。世の中の「学校は行くべきもの」「まっとうな人間は働いているべきもの」との価値軌範は、"つまづき""漏れ落ちた"人は、そうでない人以上に感じ、おびえ、自己否定感・苦しさを増幅させていく。「多くの職場で要求される"コミュニケーション能力"なるものが、こうした人たちにとっての仕事へのハードルを、さらにいっそう引き上げている」という。

「コミュニケーション能力」と「コミュ力」にはニュアンスの違いがある。「コミュ障」に対応する「コミュ力」は、学校や職場で「和気あいあいと」「楽しく」「うまく」やるというのが焦点。「生きづらさ」を抱えたこの社会、空気を読んだり、人と付き合うのが苦手でも、人とつながって生きる――その当事者と周りの模索が語られる。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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