21歳のプロボクサーの「ぼく」。デビュー戦こそ初回KOを飾ったが、その後3敗1分。弱気になるし、考え過ぎて、愚痴とボヤきの毎日で、長年のトレーナーにも見捨てられる。そこにジムの先輩・ウメキチが指導につく。今までとは違うウメキチのユニークな指導に反発するが、引きずられていくのは、ボクシングへの愛着なのか宿業のようなものなのか。次の試合が組まれ、さすがプロボクシングの世界。過酷な減量、そのなかでのトレーニングは鬼気迫るものがある。
3日後に1ラウンド1分34秒、TKOで勝つ。その一点に全てが凝縮されて今日も「決意を30秒でうしないまたくり返す」。勝負に挑むプロボクサーの凄絶な世界とヤンチャな若者のエネルギー。