「役に立たない人生相談」「好きなようにやればいい」――。94歳現役作家の佐藤愛子さんに、夫婦のこと、仕事のこと、腹の立つ友人・知人のこと、恋の悩みなどを相談する。「何を寝ぼけたこと、いってるの!」「『やーめた!』と叫べばいいんです」「よくよくヒマなんだねぇ、あなたは」「しっかりせえ!それでも男か!」「何もする必要なし!ほっときなさい」「人を変えるなんて無理な話。自分を変われば!」・・・・・・。ズバッと歯に衣着せぬ回答で気持ちがよい。まさに目の前(面の前)がパッと晴れて面白い。
若い頃は「こうなったらどうしよう」「真っ暗。絶望」などと思うが、年齢、苦労を重ねてくると、「何であんなことを悩んでいたんだろう」と思うものだ。ましてや波瀾万丈、苦労も経験も、人間洞察、教養も重ねてきた佐藤愛子さんの答えは凄い。それにしても、困っているだけで本当に悩まない。自分で考えない。周りばかり気にしてグズグズしている人のなんと多いことか。「生ぬるいこといっていないで、喧嘩してごらん!」といわれても、「それができないから悩んでいる」とグズグズ言う。「なに?それが出来ないから相談(母親の干渉から逃れたい)してるんだって? そんならお母さんのいいなりになって、そのうちに老衰して何もいわなくなる日を待つんだわね」と答えている。