今迄、アジア各国を訪れ、日本との関係強化の仕事もしてきたが、本書を読んで各国の民族性、歴史的背景を掘り下げていなかったことに気付く。激動するアジア各国であるだけに、そこを理解しないと現実の動向を見誤ることになる。「今のベトナムとアジアを考える」「ベトナムとアジアの過去と未来」の2部に収められたブログ、解説、考察はきわめて刺激的で面白い。
「ベトナムと中国との間にある何万という拉致・人身売買事件」「韓国で相次ぐベトナム人妻の殺害事件(韓国人男性の国際結婚率の高まり)」「怒れるツングース(司馬遼太郎)と像」「1019年の刀伊の入寇と1300人拉致」「不法滞在の日中韓トライアングル」「台湾との間で拡大する留学生交流」「英誌が報じる中国"シャープパワー"脅威論」「外交における合従策と連衡策」「ベトナムモデルの南北統一を夢見る金正恩」「福建人ネットワーク」「インドの悲しい結婚事情」「中国の岳飛待望論?」「朝鮮王朝史に見る党派抗争・権謀術数」「高級海浜リゾート地に大変貌しつつあるベトナム中部のダナン」等の第一部・・・・・・。
「ベトナム戦争時、一枚岩ではなかった北ベトナム労働党」「ベトナム戦争とは何であったのか」「チョン書記長の権力強化とベトナムの中国傾斜(ズン首相の解任・引退)」「インドの超大国化を阻む三つの"闇"」「明治維新の国際的な衝撃」「米欧から見た岩倉使節団」・・・・・・。
ベトナムを中心とした激動するアジア理解の解説本。