「幸せになる読書論」と副題にあるが、私自身、本が好きで良かったと思っている。哲学書などを原文で深く読み続けてきた岸見さんのように、どっしりと読んではいない。しかし、読書をしていると「思考する頭脳」「思考の粘着力」が生まれて、思考が時空を越え、本書にあるように「本を読む時に感じる喜びの感情、生命感の高揚が現実を超える力になる」のは間違いないと思う。また当然、通常では経験できない「人を識る、社会を識る、世界を識る」ことができる。「自分を知る、自身の位置を知る」ことにもなる。
「本書で私は、たくさんの本を読もうとしないこと、また何かのために本を読むのではなく、本を読むこと自体を楽しむことなど、本をどう読むかについて、これまでの人生で読んだ本を引き合いにして考えてみた」「読書は何にも代えがたい人生の喜び、楽しみである」という。