過労死.jpg「その仕事、命より大切ですか」が副題。「死ぬくらいなら会社辞めれば」と思いがちだが、「仕事がつらければ休んでもいい。辞めてもいい。働きはじめの元気なうちはそんな選択肢が見えている。しかし、決断はそう簡単ではない。お金が続かない。親に心配をかけたくない。次の仕事のアテがない。いろいろな理由でがまんして働くうちに、過労でどんどん視野が狭まり、いつしか働き続ける以外の選択肢があることを忘れていく。・・・・・・"死んだら楽になれる"との思いにとらわれてしまう。"死ぬくらいなら辞めればいいのに"と思う人は多いでしょうが、その程度の判断力すら失ってしまう」という。「早めに逃げる」「まず休職して自らの安全を確保する」ことだという。過労死の現場を7年にわたって追った報告。

過労死の11の遺族を訪れ、その後の苦悩と遺族の戦いも含めて取材している。過労死した人、遺族の声から「寄り添う」ことがいかに大切で困難なものか。「最後に救いを求める叫びを発する相手を必死に選んでいる」「多くの自死者が実際に命を絶つ前に心の内を誰かに明かしている」「生と死の間で激しく揺れ動いている」という。

国が定める過労死ラインは「死亡前2~6か月間で、月平均80時間超の残業」だが、過労のピークの時期から死亡までの時間は人によってかなり違う。「残業時間」もノルマが課せられると「残業するな」といわれて苦しみが増す。職場の異動や"心の病"をかかえた人の職場復帰をどう支えるか。長時間労働のなかでも中身の過酷さの度合いや上司の姿勢をどうする。身体の悲鳴と心の悲鳴をどう感知するか。過労死や自死だけではない、車やバイクで事故を起こす「過労事故死」。就職氷河期にあたった世代の再就職に苦戦している状況・・・・・・。

今も、どの職場でも、苦しみもがいて働いている人がいる。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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