Iの悲劇.jpg6年前に住民がいなくなった南はかま市の簑石という集落。この無人となった簑石に新しい定住者を募る市長肝いりの南はかま市Iターン支援推進プロジェクトが始まった。その「甦り課」を担うのは、さばけた新人・観山遊香、出世志向の真面目な公務員・万願寺邦和、やる気の全く見えない課長・西野秀嗣の3人。

募集するやまず2世帯が移住する。しかし隣同士のトラブルで去っていく。次に10世帯が移住してくる。ところが、事業を起こそうとした稚鯉が突然消えたり、未就学児が迷子となり、防空壕に入って重い本の下敷きになったり、毒キノコの食中毒事件があったりと、次々と不可解な事件やトラブルが発生。ついに全員が去って再び無人となってしまう。話題を呼んだ「満願」を想起するミステリー連作短篇集だ。

しかし、この背景には村が消えていくという過疎化の深刻な現実がある。都市に住む者の地方への郷愁。自然への回帰。土地への愛着とは何か。一方で、人口急減の限界集落の深刻さ。夢だけでは田舎に住めない。仕事の問題もある。隣人とのトラブルもある。全ての生活インフラ整備にまで予算をかけられない地方行政の現実・・・・・・。本書は個々のトラブルが「Iの喜劇」であったことを終章で謎解きをするが、全体を覆うのは間違いなく「Iの悲劇」だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。前国土交通大臣、前水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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