水の恵みと生命文明.jpg学者として生涯かけて貫いてきた骨太の主張が、講演という形で解り易く熱く語られる。「人類の欲望はもはや、おしとどめることはできないのかもしれない。明治以来憧れてきた欧米の『物質エネルギー文明』は自然を収奪し、人間存在そのものの足元を突き崩し始めている。『生命文明の時代』を創造し、『収奪文明から共生文明へ』と舵を切らないことには、人類としてのホモ・サピエンスは絶滅するしかないのではないか。地球温暖化は危機的様相で進行している」という。

「牧口常三郎創価学会初代会長の『人生地理学』『地人相関論』こそが地理学の王道」「巨大な稲作漁撈を背景とした長江文明があった。パンを食べて肉を食べてミルクを飲むという欧米の畑作牧畜文明が世界を席巻していたように思われるが、米をつくり発酵食品をつくり、魚を食べる稲作漁撈文明が重要だ」「天と地の交流と結合の懸け橋としての山は稲作に必要不可欠な『水』の源であった」「4200年前の気候変動(寒冷化)で東アジアの民族大移動が起き、長江文明は崩壊した」「日本神話と長江文明には深い関係がある」「富士山への信仰は、生命の『水』への信仰。環太平洋の人々も生命の『水』の循環を大切にした」「蛇信仰、注連縄(しめなわ)は蛇。森がなくなると蛇信仰がなくなっていく」「女性原理の文明と男性原理の文明」「縄文は文明だ」「動物文明と植物文明」・・・・・・。

「稲作漁撈文明が地球と人類を救う」「生命の『水』の循環を守る文明へ」――地球規模の危機を把えての文明論。いずれの講演もきわめて深く重要だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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