副題は「あなたにも 70代~90代『ヨタヘロ期』がやってくる」だ。人生100年時代――。ピンピンコロリなどはない。ヨタヨタ、ヘロヘロの「ヨタヘロ期」がやってくる。長いかもしれない。今の状況が続くと思っているのは大間違い。80代の経験者・樋口恵子さんの話を聞いておいた方がよい。
健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳、平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳。ヨタヘロ期はざっくり言ってこの間のことになる。「人生後半の安心生活――してよかった25のこと」が冒頭にある。樋口さん自身、「生きがいを見つける」「身辺整理を少しずつ」「居住環境を整える(84歳で建て替え引越しを実行した)」「できなくなることを受け入れる」「ご近所と気軽に声をかけ合う」「体の自由が利かなくなったときの備え」「無理せずに助けを求める」――。また「生きものと話をする」「自分に合った運動や健康法を続ける」「家計と財産の把握」などもある。
そして「84歳の建て替え引越し大冒険(捨てられる物の哀れ、悩ましき住宅費)」「おひとり高齢者の食生活(中流型栄養失調症、ごはん友達増加作戦)」「老いて歩けば(街角にベンチがほしい、トイレがほしい、安心パッド)」「人生100年丸に乗って(倍にのびた夫婦芝居の幕ひき、ケアされ上手でありたい)」「大介護時代をどう生きる?(認知症 みんなで支えりゃこわくない、"のろさ"への応援歌)」「老いての自立と支え合い(災害と老い――高齢者もできる範囲で自立度を高め、わが身を守る準備と覚悟を、災害時に女性の参画を、高齢者とペットの関係)」・・・・・・。立派な「高齢者のあるべき像」とは全く無縁。"ヨタヘロ"の弱さ、のろさを受け入れて、どう生きていくかを自らさらけ出して語ってくれている。