人間にはどこか、何かにこだわるということがあるようだ。人は一人では生きて行けないから、感情のズレもあるし、心の中にわだかまりが沈殿する。夫婦、会社、友人との会話のなかで、それが積み重なっていく。微妙な人心の「あや」を小さな38もの話としてまとめた。人間って滑稽だし、面白い生き物だ。「日常の小さな抵抗の物語」といっている。
「あるある」という話、「勘違い」の話、「他人事だと軽く笑っていたら自分に返ってくるブーメラン」のような話、「調子に乗ると・・・」という話、「小さな意地、抵抗」の話・・・・・・。「2LDKの攻防(光った妻の目、野獣のような夫の目)」「東京ドームの片隅で(クライマックスを共有したいのに)」「イマジネーションの檻(象でもはな子とちゃう)「押し売り無用(勇気と感動)」「紙の塔を築く(子供の心の内)」「世界一平凡な説教(何かあると出てくるそいつの説教)」「羊たちの憂鬱(三人の口癖)」「支柱なき世界(鎌倉幕府は1185年?)」「日本語で話せます(日本に滞在してもう8年なのに)」「さっさと忘れるしかないような一件(恋人?)」「満場一致が多すぎる」「絆について」「最後の旅行(親子三人の家族旅行)」「こっちの身(うるさい寿司屋)」「電球を替えるのはあなた」・・・・・・。
絶妙で面白い。人間ってこういうもの。