「謎解きはディナーのあとで」の東川篤哉さんの独特のユーモアにあふれ、シャレた新感覚のミステリ。鯉ヶ窪学園高等部の第二文芸部長の水崎アンナが、自分の書いた作品をやたらと一年生の「僕」に読ませたがる。この小説は、第二文芸部の美少女・水咲アンナ部長が、次々に高校で起きる事件を鮮やかに解決するというミステリだ。
「文芸部長と『音楽室の殺人』」――放課後の音楽室で女教師が殺害され、犯人のアリバイトリックが桜の花びらによって暴かれる。「文芸部長と『狙われた送球部員』」――長雨の季節に起きた送球部(ハンドボール)主将の殴打事件と続いて起きる教師殺害事件。「文芸部長と『消えた制服女子の謎』」――夏休みのプールサイド、更衣室で女子生徒が殺され、制服姿の女子が現場から逃げ、忽然と姿を消す。
「文芸部長と『砲丸投げの恐怖』」――秋の体育祭を間近に控えたグラウンドで何者かが投げた球体が陸上部の男子の頭を直撃する。「文芸部長と『エックス山のアリバイ』」――地元の人間が「エックス山」と呼んでいる雑木林で脇腹にナイフが突き刺さった女性を水咲アンナが発見する。