兼原元内閣官房副長官補と岩田・武居・尾上自衛隊元幹部との対談。コロナ禍の世界は、大きな変化を余儀なくされているが、「米中対決」が露わになってくるのもその重要な構図だ。安全保障、経済、環境・エネルギー、テクノロジーなど、各分野において、対決・競争・協調と複雑な様相を呈している。
「安全保障は頭だけではなく肚で考えるものです。・・・・・・国家の生存を自分の問題として考える生存本能が要ります。それが経綸です。そこが覚醒すると、国家間の力関係、軍備、兵站、財力、人口、経済成長、株価、エネルギー安全保障、サイバーセキュリティ、国民保護・・・・・・。国全体の力を出しきるにはどうしたら良いか・・・・・・」「日本では、55年体制下のイデオロギー論争で、この根っこにある軍事に関する常識や国家としての生存本能が、政治・経済エリートから蒸発してしまっている」という。政治は徹底してリアリズムでなくてはならない。「日本の戦略環境」「中国の台頭と日米同盟」「台湾、朝鮮半島、北朝鮮の核ミサイル」「アジアにおける核抑止戦略」「科学技術政策と軍事研究」「防衛産業と企業」「日本の安全保障への提言」「政治家の決断とシビリアンコントロール」など、安全保障を現場の経験を踏まえて語る。