setuzokusi.jpg文章も書き、演説もし、会話も人一倍してきたと思うが、「接続詞」を意識して考えたことはなかった。本書を読んで、改めて「接続詞」を考えてみると、確かに「文章は接続詞で決まる」ことが浮かび上がる。「プロの作家は接続詞から考えます。接続詞が、読者の理解や印象に特に強い影響を及ぼすことを経験的に知っているからです」と言う。名人芸というか、魔法というか、本書で示された夏目漱石の「坊ちゃん」「それから」、アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」、梶井基次郎の「檸檬」、谷川俊太郎の「そして」等を見ても鮮やかさに喝采したくなる。

「接続詞が良いと文章が映える」「4種10類に分ける――論理の接続詞(順接、逆接)、整理の接続詞(並列、対比、列挙)、理解の接続詞(換言、例示、補足)、展開の接続詞(転換、結論)」「文末の接続詞」「話し言葉の接続詞」「接続詞のさじ加減」「接続詞の戦略的使用」などが、丁寧に解説される。

「話し言葉の接続詞」は文章とは違うが、演説と会話はまた違う。演説は接続詞が多かったりするとテンポが狂う。会話は主語がなくても通じる。演説も会話もライブだから、場面転換を突然行っても相手は話に必ずついてくる。しかし、「文章は接続詞で決まる」は納得した。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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