星にまつわる7つの短編。「南の十字に会いに行く」――「七星、南の島へ行くぞ」と、突然、父・寺地北斗に言われて石垣島に行く。中学の合格祝いということだが、去年と違って母がいない。後で謎が明かされるが、母・寺地舞亜は宇宙飛行士としてアメリカに行ったのだ。石垣島でも多くの人と不思議な出会い、縁を結ぶ。「星は、すばる」――同級生の過失で右目を刺された小学4年生の少女の話。星降る夜に「宇宙飛行士になる」と衝撃的な出会いをした「オイラ」は語る。まるで星の王子様みたいな少年の夢を聞き、「私も、宇宙飛行士になりたい」と思う。「箱庭に降る星は」――廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部の3つの部。成績抜群でトップ、スポーツ万能で美人の生徒会副会長が奇抜な提案をする。三部合同の「スぺミス部」を作って自らも加わるというのだ。「木星荘のヴィーナス」――お兄ちゃんが大学生になって上京、木星荘で容姿抜群、有名大学に通う頭脳明晰、明るくて親しみやすい金江さんに会う。そして「孤舟よ星の海を征け」「星の子」「リフトオフ」と続く。7つの短編と思いきや、すべての話が合流して、月へ向かう宇宙飛行士・寺地舞亜の壮行会に集まる。もちろん父も私(七星)も。生徒会副会長も金江さんも星の王子様も実は・・・・・・。
人生は価値創造。積極的に、決断して、自分を等身大に見ておごらず、たゆまず、まっすぐに、夢を持って。そして愛と涙で包む。周りは振り回されて大変だが、それもエネルギーでうまくいく。北斗七星と宇宙にきらめく星、夢の世界が描かれる。