凄まじい恐怖と迫力。中心となるリーダーを決めずに活動する地下ネットワーク組織「金石(ジンシ)」。中国残留孤児の二世、三世を中心にして、犯罪だけでなく一般ビジネスや生活に関する情報をやり取りする互助組織だが、それらメンバーのハブとなるような人間が8人、「八石」という。その一人である高川が警視庁公安に保護を求めてきた。決して表に出ない幹部である"徐福"が、謎の殺人者「黒石(ヘイシ)」を使い、「金石」の組織を変えて一元的支配を目論んでいると怯えていた。新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川に会う。徐福に反発するメンバーとの根深い争いがあり、その数日後も幹部と思われる男の撲殺死体が発見される。これまでも頭を潰された遺体が発見されており、「黒石」の仕業だと次第に思われていく。
あまりにも酷たらしい殺人者「黒石」とは何者か。それに指令を出していると思われる「徐福」とは何者か。そして二人の関係とは・・・・・・。「八石」の虎(高川)、扇子(清本悦子)、安期先生(田)、鉄、左慈、雲師、公園、そして徐福らの正体とその関係。家出した荒井真利華を引き取り世話した清本悦子の本心。思いが交錯するなか、「黒石」と新宿鮫との壮絶な戦いが繰り広げられる。激しさよりも悲しさがこみ上げてくる。