鎌倉時代の末から南北朝の時代、武装した有力農民・地侍が多く歴史の表に出てくる。源流は古代の力田の輩だが、農耕技術、農業経営にもすぐれた者が力を蓄
え、権力や権威の衰えに乗じて武装して自立する。室町時代に入って農業生産力の高まりで更に力をつけた地侍。応仁の乱のあとの戦国時代、戦国大名は勢力拡
大のため、圏内の地侍を動員した。徳川家康、真田昌幸の家系自体がそうだし、第一章「天地を開く」で紹介される市川五郎兵衛、大梶七兵衛、亀井茲矩(これ
のり)から高田屋嘉兵衛に至るまで、全国各地で活躍した人々のルーツを本書は表している。
豊臣秀吉の兵農分離政策や島原の乱には地侍対策があるが、独立自尊、勤勉、剛直、忍耐を背景とする地侍の魂が、下級武士、有力農民、商人となって、日本を現場の中で切り拓いてきている。地域の吃立した地力と自力の戦さ人の歴史群像だ。
柏さんは「大地を自分の足でしっかり踏みしめ、汗を流し掌に血まめを作りながら荒野を切り拓き、創意工夫を重ねて自分の生活を確立する者、それが地侍である」「荒野を開拓して独立し、武装して自由と尊厳を守る――日本人よ、そういう地侍であれ、といいたい」と言う。
ウィルチェック氏は最先端の理論物理学者で2004年にノーベル物理学賞を受賞している。
ひと昔前まで、物質を構成する最小単位は「原子」と考えられてきたが、原子ももっとバラバラにすることができるとわかり、「素粒子」が発見された。
問題はその素粒子のありようだ。素粒子は二つの性質をもち、粒(つぶ)であると同時に波であるという。物質は物質であると同時に波長(光)でもあるということらしい。
副題に「創業への極意を探る」とあり、創業者が語る成功の5つの条件が述べられている。これほどの経済の激震のなかで倒産も吸収合併もされないで、逆に大
きく伸びている7社(AOKIホールディングス、ニトリ、ファンケル、カプコン、スターツコーポレーション、ドトールコーヒー、富士ソフト)が紹介されて
いる。
いずれの会社もしっかりした理念、コンセプトがあり、常に勇気をもって前に進めている。似鳥さん、鳥羽さんなど7人はいずれもそれぞれすごい。
グローバリゼーションのなかで、21世紀の世界の安全保障をどう考えるか。ブレア政権の外交戦略、EUの安全保障戦略の基盤となる「新リベラル帝国主義」
を提唱したロバート・クーパーは、3つのカテゴリーに分類して考える。国家としての発展度・成熟度からいって「プレ近代(国家以前のカオス)」「近代(国
民国家)」そして「ポスト近代」だ。そしてEUが常に念頭にあると思うが、「近代」に属する国民国家群が、国境線を絶対視して内政と外交を峻別する「近
代」を脱却してポスト近代的関係を構築することだという。