1707-thumb-240x344.jpg  鎌倉時代の末から南北朝の時代、武装した有力農民・地侍が多く歴史の表に出てくる。源流は古代の力田の輩だが、農耕技術、農業経営にもすぐれた者が力を蓄 え、権力や権威の衰えに乗じて武装して自立する。室町時代に入って農業生産力の高まりで更に力をつけた地侍。応仁の乱のあとの戦国時代、戦国大名は勢力拡 大のため、圏内の地侍を動員した。徳川家康、真田昌幸の家系自体がそうだし、第一章「天地を開く」で紹介される市川五郎兵衛、大梶七兵衛、亀井茲矩(これ のり)から高田屋嘉兵衛に至るまで、全国各地で活躍した人々のルーツを本書は表している。

豊臣秀吉の兵農分離政策や島原の乱には地侍対策があるが、独立自尊、勤勉、剛直、忍耐を背景とする地侍の魂が、下級武士、有力農民、商人となって、日本を現場の中で切り拓いてきている。地域の吃立した地力と自力の戦さ人の歴史群像だ。

柏さんは「大地を自分の足でしっかり踏みしめ、汗を流し掌に血まめを作りながら荒野を切り拓き、創意工夫を重ねて自分の生活を確立する者、それが地侍である」「荒野を開拓して独立し、武装して自由と尊厳を守る――日本人よ、そういう地侍であれ、といいたい」と言う。


20101210-book.JPG ウィルチェック氏は最先端の理論物理学者で2004年にノーベル物理学賞を受賞している。

 世界は何でできているのか、物質を細かく分けていくとその先は何になるのか、誰もが知りたいと思っている質問に最新の物理学はこう答えている。それは「物質のすべては光」と。
 ひと昔前まで、物質を構成する最小単位は「原子」と考えられてきたが、原子ももっとバラバラにすることができるとわかり、「素粒子」が発見された。
 問題はその素粒子のありようだ。素粒子は二つの性質をもち、粒(つぶ)であると同時に波であるという。物質は物質であると同時に波長(光)でもあるということらしい。


20101208-book.JPG  副題に「創業への極意を探る」とあり、創業者が語る成功の5つの条件が述べられている。これほどの経済の激震のなかで倒産も吸収合併もされないで、逆に大 きく伸びている7社(AOKIホールディングス、ニトリ、ファンケル、カプコン、スターツコーポレーション、ドトールコーヒー、富士ソフト)が紹介されて いる。

  堺屋さんは、(1)気質―好奇心旺盛と正義感とお金儲け(2)アイデア―ビジネスモデルにいたる構想(3)見通し―嗅覚と先見(4)勇気―覚悟と見切り(5)少しばかりの好運――の5つをあげる。
  いずれの会社もしっかりした理念、コンセプトがあり、常に勇気をもって前に進めている。似鳥さん、鳥羽さんなど7人はいずれもそれぞれすごい。

 


20101203-book.JPG  グローバリゼーションのなかで、21世紀の世界の安全保障をどう考えるか。ブレア政権の外交戦略、EUの安全保障戦略の基盤となる「新リベラル帝国主義」 を提唱したロバート・クーパーは、3つのカテゴリーに分類して考える。国家としての発展度・成熟度からいって「プレ近代(国家以前のカオス)」「近代(国 民国家)」そして「ポスト近代」だ。そしてEUが常に念頭にあると思うが、「近代」に属する国民国家群が、国境線を絶対視して内政と外交を峻別する「近 代」を脱却してポスト近代的関係を構築することだという。

  外交に関して5つの提言をしている。「外国の人間はわれわれとは違う(マスメディアが大衆文化を地球規模に広げても、その国の人々と生活を同じくし、同じ 空気を吸ってはじめてわかる)」「結局のところ、大事なのは内政である(外交政策は国内事項を外部へ投影、グローバル化は国内外の出来事の区別を溶解させ る)」「外国の人間に影響を与えるのは難しい」「外交政策は利益だけのために行うものではない(アイデンティティーが利益よりも優先される)」「解決でき ない問題が生じたら、状況を拡大せよ」――世界の歴史的事実にふれつつ、巨視的に外交の原理を示している。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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