官賊と幕臣たち.jpg「列強の日本侵略を防いだ徳川テクノクラート」が副題だ。江戸幕府、一口に「鎖国」といわれるがそうではない。欧米列強が虎視眈々と侵略を狙う世界の動きをまず示される。宣教師たちの目的、江戸幕府成立以前からのポルトガルとスペイン。それを追うかのごときオランダの対日貿易独占戦略。旧教国対新教国という図式でのスペイン・ポルトガル対オランダ・イギリスの対立。切支丹禁令。そして西へ西へと進み、太平洋を渡って迫るアメリカ。インド、中国から日本を窺うイギリス。密貿易の国・薩摩を背後で支援したイギリス・死の商人グラバーの暗躍・・・・・・。薩長同盟なるものの矛盾を突き、坂本龍馬にいたっては、武器あっせん商人の手先とこきおろしている。

そのなかで幕府の対外協調路線を描く。欧米列強の侵略を防ぎえたのは、徳川の幕臣テクノクラートだという。「阿部正弘、堀田正睦、井伊直弼政権が敢然と対外協調路線に踏み切り、川路聖謨、水野忠徳、岩瀬忠震、井上清直、小栗忠順といった英傑といってもいい優秀な徳川幕臣テクノクラートが欧米列強と正面から渡り合い・・・・・・」「この足を引っ張ったのが"復古!復古!"と喚いて、"尊王攘夷"というスローガンだけで徳川政権から積年の悲願として政権奪取を図った、いわゆる勤皇勢力、尊王攘夷派、即ち薩摩・長州勢力である」という。テロリストといっている。薩長史観を迫力をもって打砕いている。司馬史観をも。「明治維新という過ち~日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト~」に続く第2弾の書。

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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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