経済、政治、教育、社会保障、エネルギーについて、各分野の若き研究者がそれぞれ語る。従来の大上段の分析、理論、解決策の提示とは全く違う。若い、新しい、自らつかんだ現場のデータを駆使、具体的、実行している側に立ってのもので、刺激的だ。
一般の風説に惑わされない。的はずれの一点突破ではない。理屈をいっても動きをつくれなければ意味はない。データを積み上げなければ行政は動かない。そうしたクールな世界が開示される。
エネルギーでも小規模分散型の自然エネルギーを事業として成立させるにはどうするか。地域から現場から具体例を示しつつ打開策をたんたんと語る。「ひきこもり」に対しても原因を示すだけでなく、実際に行なっている大学のひきこもり支援政策と成果を示す。経済では従来からの経済学ではなく、現実の制度を修正・設計していく「マーケットデザイン」「ゲーム理論」を紹介する。大野更紗さんは本人の生を尊重するQOLの向上について述べる。
新しい理念、理論と行動を提示しており、そこには情緒やイデオロギーによる思考停止はない。