「無意識に使っている言葉が、印象をつくっている」「よけいなひと言を好かれるセリフに変える」――「言い方」で損をしないための本、「言い方」を変えて人間関係を改善するきっかけをつくる本だ。「よけいなひと言」を「好かれるセリフ」に言いかえるパターンを、141例、15章のシーン別に分けて解説している。とくにダメなのは「マイナスの口癖」と「上から目線」。
「×」である「よけいなひと言」――。「ご苦労さまです(目下の人に言う言葉)」「大変ですね(うすっぺらい同情の言葉)」「疲れてる?(マイナス方向に引っ張られる言葉)」「私のこと覚えていますか?(試されているようで×。自分から名乗れ!)」「そのうち、ランチでも(社交辞令で本気度は?)」「ちゃんと、しっかり、徹底的にやってくれ(具体的に指示しないと事故になる)」「できれば早めにお願い(あいまい表現)」「それはしないで下さい(否定形はダメ、こうして下さいと肯定形で)」「私には無理です(できない理由をいって断るべき)」「つまらないものですが(私が好きなお菓子とか、話題のお菓子なので、ぜひ召し上がって頂きたい)」「ご存じないと思いますが(ご存じかもしれませんが、と相手を立てる)」「さすがだね(ほめる時は具体的に)」「若いのにしっかりしてるね(年齢や性別に関する言葉はレッドカード)」「感心しました(上から目線)」「要するに何が言いたいの?(イライラする前に要点を確認)」・・・・・・。
「わかるわかる(同感と共感は全く違う、あなたはそう思ったんですねと、心理的距離を若干置いて共感で返事をする)」「それはやめた方がいい、これは絶対いいから(押しつけ)」「なぜ連絡してくれなかったの?なぜいつもそうなの(高圧的)」「こうするべきだよね(追い詰める)」「ちゃんとして下さい(漠然としている)」「何でも言って(逆に言いにくい)」「ふーん へぇ(あいまいな相づちは関心のない表れ)」「すみません(謝罪には軽すぎる、謝罪三原則は「事実を認めて」「シンプルに」「一分一秒でも早く」謝ること)」「こんなトラブルになるとは思いませんでした(そんなつもりはなかった、は通用しない)」「させていただきます(恩着せがましい。いたします、でよい)」「ご理解いただけましたでしょうか(上から目線)」「了解しました(上司や取引先には失礼)」「そんな事で悩むなんて(他人の悩みは「そんな事」ではない)」「早くしなさい、ちゃんとしなさい、ダメダメ(子育てになっていない)」「なぜ、やらなかったんだ、なぜこうなったんだ(なぜ?はデンジャラス・クエスチョンで相手を追いつめる)」・・・・・・。
「相手のことを考えて」という以上に「自分のことを大切に。自分の気持ちを抑え込んで相手を優先すると、我慢する耐えることが増え、心に余裕がなくなり、負のスパイラルになる。自己肯定感が高まることが大事」「情は人の為ならず」・・・・・・。テクニックというより、こちら側の自己肯定、余裕、ふところ、共感を磨くこと。大事な指摘だ。