
中国、インド、日本が中心となるアジア新時代に対して、日印交流はきわめて遅れをとっている。リオリエント現象の加速化のなかで、日本の戦略がみえない。
「ヨーロッパの統合が、制度・政治主導なのに対し、アジアの統合は市場・企業主導だ」というように、アジアの経済統合に中産階級大国日本の役割は大きい。製造業のアジアでの分担というよりも、アジア全体で中産階級の台頭、つまり爆発的な消費市場の拡大現象が眼前にあるところにこそアジア新時代の本質がある。とくに、日本のハードとインドのソフトの協力とよくいわれるが、ソフトと文化の面でこそ「ジャパン・クール」の評価を得るという榊原さんの指摘はいい。
テレビに出る榊原さんはほんの一部分で、いつも話をしたり著作を読むと、榊原さんの「日本の文化・哲学性」への洞察に共感する。