「黒船以降 政治家と官僚の条件」.jpg中身の濃い、しかも自由で率直な語らいは面白く、圧倒される思いだ。尊王攘夷、なかでも攘夷思想が、黒船以降、明治をも含めて基調音として奏でられたことがよくわかる。歴史の表舞台に出てくる血気にはやる若者のなかで、バランスがとれ、わきまえた知性・理性をあわせもつリーダーが、煩悶しながらもいかに踏んばったか、阿部正弘、榎本武揚、小野友五郎、立見尚文など好意をもって二人が描いている。

薩長がいつ倒幕になったか。その背後には、それぞれの歴史と地域性と伝統(たとえば直接行動と自己陶酔的な水戸、海のない会津に対して海に接する長州や薩摩より遡れば島津と毛利の出自)、佐幕派勢力の一橋慶喜、会津、桑名の「一会桑」への反発などを描き出す。竜馬のめざした徳川を中心とした共和制と維新を成した人々との違いなど、興味は尽きない。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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