村井実氏は明治以来100余年にわたる教育史の中で歴史を作った三つの文書として「被仰出書(おおせいだされしょ1872・明治5年)」「教育勅語(1890・明治23年)」そしてこの「アメリカ教育使節団報告書(1946)」をあげている。連合軍総司令部(GHQ)が、日本の軍国主義的・超国家主義的教育を一掃しようとして、27名の教育使節団を派遣し、日本の教育者等の協力のもと、この報告書をつくりあげた。
当然、憲法と同様、米国文化の強制的勧告であるとか、いわゆる保守層の批判も浴びるが、同時に、教育の逼塞にあえいでいた知識人や教師に共感をもって受け入れられたことも事実である。
内容を読めばそれは明らかだ。現在の教育の原型、原点を、より鮮明にみる思いだ。歴史の文書として、ありのまま如実知見することだと思う。