80歳の 「妻へ、子へ、そして後なる人たちへ」という副題が付してある自伝だが、格調、見識、教養、哲学、文化、バランス――高潔な人格が全文を通して伝わってくる。凸版印刷の特別相談役、日本経団連常任理事をはじめとして、わが国を支えてきた鈴木和夫さんの自伝だが、感銘をもって一気に読んだ。

戦争をどうとらえ、そして戦後をどう考え、生きてきたかを知りたいと思ったが、日本が繁栄し、正道を歩んでこれたのは、こういう人たちがいたからだとの思いを深くした。

「人間と自然との調和、物と心のバランス(日本美)」「冷徹な市場優先主義批判」「天生我材心有用(李白)」「有志事竟成」「マイネッケの近代史における国家理性の理念(国家は常に権力衝動に動かされるが、野放しにこの衝動に身をまかせれば、必ず破滅の悲運に見舞われることは、歴史の教えるところである)」「日本海軍が壊滅したのは、米軍にたたかれる前に、内部崩壊していた」――。

写真集も本当に美しい。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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