建設産業復興論.jpg「公共事業はムダ」とか「公共事業悪玉論」が世を席巻して、声も出せないような状況にある。治山治水がいかに大事であり、黙々と先達が努力してきたか。とくに災害列島、脆弱国土の日本だ。未曾有の経済危機に対して世界が協調している金融や財政出動に、逆噴射という世界で驚くような政策をしている政権。財政再建の名の下に、公共事業叩きと役人叩きをして、成長戦略を考えない人々。経済を内需も外需もバランスよく発展させなければ、この国はもたない。少子高齢化社会は想像を絶するものだ。
森田実さんは、覚悟をもって正論を吐いている。「建設業の再生が日本経済を救う」「建設産業復興論」という主題、副題自体に、その覚悟が表われ、その背後に中庸の哲学が満ちている。


コスモスの影にはいつも誰かが隠れている.jpg藤原新也氏の「東京漂流」を衝撃的に読んだのは、相当前のことだ。その感性はよりとぎすまされ、やさしく、透明になっている。「尾瀬」「コスモスの野」「トメさんと菜の花」「カフェ恵と真っ黄のアワダチソウ」「宮間(写真家)とアジサイの花」「カハタレバナ」・・・・・・。
美しい花が目に浮かぶような小説が続くが、都会の喧騒のなかで、人々の"渇き"のなかで、男と女の交わりや別れ、生老病死が描かれている。しかし、藤原さんは「人間の一生はたくさんの哀しみや苦しみに彩られながらも、その哀しみや苦しみの彩りによってさえ人間は救われ癒されるのだという、私の生きることへの想いや信念がおのずと滲み出ているように思う」といい、「哀しみもまた豊かさなのである」という。
「他者への限りない想い」が哀しくも美しく、感動的に描かれている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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