「公共事業はムダ」とか「公共事業悪玉論」が世を席巻して、声も出せないような状況にある。治山治水がいかに大事であり、黙々と先達が努力してきたか。とくに災害列島、脆弱国土の日本だ。未曾有の経済危機に対して世界が協調している金融や財政出動に、逆噴射という世界で驚くような政策をしている政権。財政再建の名の下に、公共事業叩きと役人叩きをして、成長戦略を考えない人々。経済を内需も外需もバランスよく発展させなければ、この国はもたない。少子高齢化社会は想像を絶するものだ。
森田実さんは、覚悟をもって正論を吐いている。「建設業の再生が日本経済を救う」「建設産業復興論」という主題、副題自体に、その覚悟が表われ、その背後に中庸の哲学が満ちている。