魯山人の書.jpg宇宙に字を書け、砂上に字を習え――と副題にある。

北大路魯山人は書家、陶芸家、美食家だが、この書を読んでそのすごさは次元を越えている。

「芸術は結局人である」

「人物の値打ちだけしか字は書けるものではない」

「(梅原龍三郎は)富士をにらみ倒して描く。・・・それでは、にらむたびに、それが邪魔になってますます描けなくなるだろう。・・・(大観は)人間は時々お灸を据えられることが必要だ。灸を据えられない為に、とかく人間はいい気になる。――全体を見て絵を描け、部分を集めてもそれでは絵にならぬ」

王義之、顔真卿、池大雅、そして良観に心酔していく歩みは、想像を絶する境地としかいいようがない。

格調高く、敢然として、恰幅があって、穏やかで、雄渾を秘めていて衒いがない、生命力溢れた魯山人の書の代表として山田さんは山代温泉の「白銀屋」の看板をあげる。私も一泊して魯山人の世界に触れたことが思い出される。

魯山人を語り切る山田和さんもすごい。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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