
私も1970年前後、竹中労や太田竜、「現代の眼」などもかなり読んだ。1985年頃に、直接会い、本書に出てくる何人かを紹介してもらったこともある。会ってもカベが全くなく、話にも、書くものにもリズムと勢いがあった。本書で紹介している「どうしてタイの民衆が貧しいと日本人はいえるのですか?」という民衆への愛情と思想の拠点、権力への怒りがあった。
私の場合「左右」というより「上下」の軸――下から現場から生身の人間から、烈風のなかグチもいわず生き抜く靭い庶民の側に立つ。「如実知見」「諸法実相」「依正不二」「蔵の財より身の財、身の財より心の財」。そんなことも話し合った。時代を振り返りながら読んだ。