
国家の経営やマクロ経済では、大きく俯瞰して物事を見て手を打つ、それも重要。しかし、各分野、各団体、各企業において「あれをやれば...」ということは多い。突破できるのに決めることができず、前へ進むということができない。それが閉塞感を絶望に変える。
江口さんは反撃を試みる。かねてからの「地域主権型道州制」はその柱だ。そして、「贈与税・相続税を非課税にして若年層に資産移転を」などの税制。「切符一枚につき10円を加算して各駅に保育所を。学校バウチャー制度、医療や介護の規制緩和」などの暮らしの安心。「必要な道路の建設や基地島の建設を」などの社会インフラの再構築――こうしたきわめて具体的な15の政策提案をする。めざすは「富国有徳国家」であり、成長戦略だ。随所に、現民主義政権の迷走ぶり、政策の誤りの指摘がされている。視野は全方位にわたっているし、意欲が伝わってくる。