東日本大震災、また首都直下型地震の危機管理や対応については、先頃、志方先生と対談を行なった。「危機は変化する」「危機管理は実務」「危機管理は現場主義」――大変、有意義で刺激的だった。
本書は平成19年7月の講演記録。現代世界の脅威として「中距離核保有による政治戦争(まさに今のイラン、北朝鮮)」「国際テロとの戦争」「多国籍軍による国際秩序を守るための戦争」「常時行われている情報戦争」の4つの戦争を示しつつ、わが国はどう対処すべきか。わが国周辺の危機、各国の動きと意図等をわかりやすく示す。国家安全保障会議、緊急事態基本法、情報管理基本法等をはじめ、国の基本が法的に確立されていないことを明示する。
日米が国益をほぼ同じくするとともに、価値観を共有することが大事であり、そのうえで沖縄の地理的位置がいかに重要か。また核について「持てるけれど持たない」という立場をもっと積極的に前に出せともいう。きわめて率直、わかり易く語ってくれている。