20120911我関わる、ゆえに我あり.jpg副題に「地球システム論と文明」とある。

「科学の力によって圧倒的な時空を手に入れた20世紀。我々は、宇宙、地球、生命、文明について、どこまで知り得たのか」「地球を飛び出し、地球を俯瞰する視点を手に入れた21世紀の我々・・・・・・。その圧倒的な情報を元に、新たな自然観、歴史観、世界観を確立し、それを元に新たな思想、哲学を探ること。それこそが現代において『我々とは何か』を問うことだ」と松井さんはいう。

その「我」は、デカルトの「我思う、ゆえに我あり」の「我」とは少し異なる。「外界、すなわち家族や社会、自然との関わり、その過程を通じて形成されるのが我であり、そのあらゆる外界との関わりの中で、脳の中に蓄積された内部モデルが人生ということだ。我関わる、ゆえに我あり」だ。つまり「我」は外界との関わりのなかでつくられる。だからこそ「人間はどのように生きるべきか」は「人間圏はどのようにあるべきか」「人間圏の議論を深めることが、人間論を深めることにつながる」――。

松井さんの著書「地球・宇宙・そして人間」を読んでもう25年にもなる。その後も根源的な視点を常に示してくれている。昨年の3・11の津波・原発事故以降、こうした「地球システム論と文明」を問う根源的思索が不可欠だと思う。「3・11と人間圏の創造」で松井さんは「自然の前に我々は無力だ」という前に「自然のことを、我々はまだ何も知らなかったに等しいのだ」と言う。

137億年の時空のなかで、我々とは何かを問い続けるとの指摘とともに、仏法の成住壊空、住劫第9の減をも考え、感慨を新たにした。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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