飯田のミクロ.JPG経済成長や景気変動を取り扱うマクロ経済学はある意味、わかりやすいし、興味深い。しかし、それはミクロ経済学を踏まえなければならない。そしてミクロ経済学には昨今、ゲーム理論などが入って展開がされているが、飯田さんは、より原点的なことからその基本的な思考法を解説をしている。本書はなんと財務省の人への講義に基づいている。副題に「新しい経済学の教科書(1)」とあるが、「飯田のマクロ」などが今後、続いていくようだ。

「経済学は、個人主義・自由主義から出発し、主観価値説を基礎とし、資源が希少な環境を舞台に展開される議論」という。そして「個人は予算制約の中で幸せを目指すなどの個別主体の行動原理」「競争的な市場が望ましい理由(完全競争市場の効率性など)」「競争条件と企業の行動」「競争的な市場が望ましくない場合(公益事業のかかえの問題)」などを解読する。

「財政政策」「消費税問題」「消費税を上げないとギリシャのようになる、というが、ギリシャの破綻は増税にもよる」「国の借金はどの通貨でしているかを見ることが大切」「金融政策は、日銀が金融機関を相手にしているので円安は望まず、雇用などに景気回復が及ぶ前に引き締めてしまうことになりがち」「公共事業はなぜ景気にきかないのか」――こうした飯田さんの発言は、本書でも時折り顔をのぞかせる。マクロ経済政策では、どうしても論者の価値観が入るが、ミクロを踏まえるということは、価値観を除外した理論を踏まえよということでもある。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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