アデン湾を荒らし回っていたソマリア海賊はその範囲を広げている。インド洋西部の東経78度以西、南緯10度以北で区切られる海域がハイリスク・エリアとして指定され、各国は協力して安全保障のネットワークをつくり、緊密に情報交換をしている。
本書は海賊の実態、手口、装備の全貌を明らかにしつつ、海賊対策について詳説している。情報収集・インテリジェンスの強化とともに、現在、国会で法案審議となっている民間武装ガードについても語っている。資源開発で活況を呈しているアフリカと、資源の輸入が生命線である日本の戦略について、丁寧に論述してくれている。先日も、前線で本当に、頑張ってくれた海上保安庁職員から帰国報告を聞いた。