心.JPG姜尚中さんが亡くなった息子と感じた西山直広君とのメールのやりとりから成る小説。直広君は心友・与次郎君の生と死に導かれ、東日本大震災における遺体の引き上げという過酷なボランティア「デス・セービング」に取り組む。ゲーテの「親和力」が基調音を奏でる。
 
親友の死、裏切り、良心の呵責、募る恋、さまざまな親和力、大地震、デス・セービング、PTSD......。不可思議な人間関係、人と人との出会いのなかにこうした親和力や分離力が働くのは、宇宙広しといえども人間だけだ。諸法は実相であり、諸法の実相を如実知見せよ。無常の中にも常住を見よ。常住壊空のなかにも永遠性を信じ真面目に生き抜け――そういっているようだ。

最後は姜尚中さんの息子さんの最後の言葉「生きとし生けるもの、末永く元気で」で締めくくられている。この言葉があまりにも重いために、姜尚中さんは、ピュアで普通の小説にしたのだと私は思った。


子ども霞ヶ関ツアー0808.JPG8月7日、8日の二日間、「子ども霞が関見学デー」が行われ、夏休み中の多くの子どもたちが国土交通省を訪れました。さまざまな展示・紹介のコーナーを設け、そのなかで「国土交通大臣とお話ししよう」という場を開催。8日の昼、国土交通省の大臣室に18人の小中学生とその保護者の方をお招きして懇談しました。

大臣室の窓から見える国会議事堂、最高裁判所、総理官邸などを説明し、陸海空に幅広く関わる国土交通省の仕事内容を子どもたちに説明。「質問がありますか」と聞くと、子どもたちから次々と手が挙がりました。

「子どもの頃に好きだった本は何ですか」「好きなスポーツは何ですか」といったことから、「災害が起こったときに国土交通省はどう対応するのですか」「東北の復興のために必要なことは何ですか」「国土交通大臣になってよかったことは何ですか」「鉄道が好きですが、今後鉄道は増えていきますか」「鉄道貨物は将来どうなりますか」まで、質問は多岐にわたりました。

鉄道や航空、道路、災害など国土交通省の仕事は子どもたちにも身近な分野のようです。純粋で何でも興味をもつ年代。社会や行政について関心を深めてもらういい機会になったと思います。

明るく元気な子どもたちとの楽しいふれあいができました。


人類哲学序説.jpg欲望、人間中心主義、自然との対立概念、科学技術優先――。そうした近代西洋文明批判、近代合理主義批判がなされて久しい。むしろ最近では、骨太の文明論は少なくなっている感すらある。しかし、梅原猛さんは、それに代わり人類文化を持続的に発展せしめる原理が、日本文化のなかに存在する。それは「草木国土悉皆成仏」だという。

文明と文化を全的に把握したうえで、真正面からナタを振り降ろすがごとき大きな肺活量の文明論だ。天台本覚思想、縄文文化、アイヌ文化。そして西洋のデカルト、ニーチェ、ハイデッガーの哲学。更にヘブライズムとヘレニズムという西洋近代文明の源を示しつつ、西洋哲学から人類哲学への転換を説く。「草木国土悉皆成仏」「森の思想」だ。

生命の尊厳、色心不二、草木成仏、一念三千論、五陰・衆生・国土の三世間・・・・・・。私はそうしたことを想いつつ読んだ。壮大な人類哲学は、想いがあふれなければ、とうてい書けるものではないと思った。


つれづれ0805①.JPG
猛暑、豪雨、渇水の気候不順の夏――。8月2、3、4の週末3日。地域では納涼祭、祭礼、盆踊り、子ども大会、カラオケ大会、サンバパレードなどの商店街行事、伝統の王子田楽など多くの行事が行われました。また、日本海洋少年団全国大会が高円宮妃殿下のご臨席の下で力強く行われ、ますます大事になる海洋国家・日本を担う次の人材が全国から集い、友情の輪を広げました。

地域での人の交流、子どもたちとの交流はとても大切です。関係の方々に感謝です。懇談もでき、多くの声を聞きました。

つれづれ0805.JPG


静岡1 0731.JPG「東北の復興や社会資本整備を進めていくためには技能労働者の不足を解決することが大事」――。7月31日、静岡県富士宮市にある富士教育センターを視察しました。これは、建設業の技能者の育成を目的とした施設です。当日は、静岡県、山梨県、神奈川県の高校生など82名の若者が泊まり込み、クレーン技能や足場組立て、内装の実習に熱心に励んでいました。

近年、建設業に就職する若者が減り、就職しても技術を身につける前にやめてしまうなど、職人さんの不足や高齢化が課題になっています。未来を担う若者が誇りとやりがいを持って建設業で働いていくことができる環境整備を進めていくことが大事です。

やる気にあふれた若い実習生たちと言葉を交わし、将来を担ってほしいという期待を込めて激励しました。

静岡5 0731.JPG次に、静岡県の三保松原を視察しました。6月に富士山とともに世界文化遺産に登録され、外国人観光客を呼び込むためにも期待が高まっています。しかし、海岸浸食が進んでおり、海岸の保全と景観の両立が求められています。富士山と松原、砂浜が一体となった白砂青松の景観を将来に残していくために、静岡県と協力し、技術的・財政的支援をしっかりやっていきます。

有意義な視察ができました。


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プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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