心.JPG姜尚中さんが亡くなった息子と感じた西山直広君とのメールのやりとりから成る小説。直広君は心友・与次郎君の生と死に導かれ、東日本大震災における遺体の引き上げという過酷なボランティア「デス・セービング」に取り組む。ゲーテの「親和力」が基調音を奏でる。
 
親友の死、裏切り、良心の呵責、募る恋、さまざまな親和力、大地震、デス・セービング、PTSD......。不可思議な人間関係、人と人との出会いのなかにこうした親和力や分離力が働くのは、宇宙広しといえども人間だけだ。諸法は実相であり、諸法の実相を如実知見せよ。無常の中にも常住を見よ。常住壊空のなかにも永遠性を信じ真面目に生き抜け――そういっているようだ。

最後は姜尚中さんの息子さんの最後の言葉「生きとし生けるもの、末永く元気で」で締めくくられている。この言葉があまりにも重いために、姜尚中さんは、ピュアで普通の小説にしたのだと私は思った。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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