里山資本主義.JPG「日本経済は"安心の原理"で動く」と副題にあるが、それが里山資本主義なるものだ。今、日本人と日本企業(特に大都市圏住民と大都市圏の企業)には、「マネー資本主義的な繁栄は続かないのではないか」「社会の近代化、高度化は、システム崩壊と国土の脆弱化を招いているのではないか」「人の存在までも金銭換算し、生きる価値すら奪う面があるのではないか」という根源的な不安・不信がある。「里山資本主義は、すべてが生活現場と離れた市場にゆだねられながら現在の社会、大都市住民が水と食料と燃料の確保に関して抱かざるを得ない原初的な不安を和らげる」という。"マネー資本主義"の対極を志すのが里山資本主義であり、それはすでに、日本の中国山地などの各地で、田舎とされた地域で始まっているというのだ。

江戸時代の自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せ、というような主義主張ではない。里山資本主義は、お金の循環を前提とする"マネー資本主義"の経済システムの横に「こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築していこう。水と食料と燃料の安全安心のネットワークを予め用意しておこうという実践だ」というわけだ。"田舎"が変わり始めた。電気も木材も牛乳も野菜も、知恵が生き生きと発揮され始めた。

そして、「次世代産業の最先端と里山資本主義の志向は"驚くほど一致"している」「日本企業の強みはもともと"しなやかさ"と"きめ細かさ"をもっている。アメリカ型のマッチョな資本主義とは違う」「都会のスマートシティと地方の里山資本主義はこれからの日本の車の両輪になる」と、意欲的な提起をしてくれている。"大都市"と"田舎"、欲望と人間、モノと人の豊かさ――そうした根源的な問いかけである。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

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