「正論」や「正解」にだまされるな、と副題にある。もっといえば「正義」を囚われるとか、「ねばならない」と考えすぎず、どうしたら「別解」にたどりつけるか、どうすれば絶望を乗り越えられるか、ということだ。まさに「○と×」ではなく、「どう乗り越えるか」という別解だ。
政治でも「現場を基軸に△を探す」ということになる。鎌田さんの「がんばらない」をはじめとして多くの書に接し、感銘してきた。私は「頑張るが無理しない」と走りすぎを戒めてきたが、鎌田さんは「がんばらない」けど「あきらめない」だ。「自由」「とらわれない」「"がんばらない"けどあきらめない」「○か×かで生きるのはもうやめよう。もっと自由で創作的な別解、○に近い△を見つけよう」――具体的な例が数多く紹介されている。
自身が大変なことも乗り越えてたどり着いた「境地」「境涯」の世界だと思う。