

「南海トラフ巨大地震の津波から命を守ろう」――。11月24日、高知県に行き、国が直轄で工事を行う海岸堤防の起工式(土佐市)に参加。続いて、日本で最も高い最大34mの津波が押し寄せると想定されている黒潮町に行き、対策を協議しました。
まず、海岸堤防の起工式。この事業は、土佐市の仁淀川河口から南国市に至る高知海岸で進めているもので、今回は新居工区約1.7㎞を着工しました。大きな特徴は、堤防の耐震化とともに液状化対策を施していることです。堤防が震度7の揺れで倒れたり、液状化で沈下してしまっては役に立ちません。このため、粘り強い堤防に強化することが不可欠です。起工式では、地元の尾崎正直知事や板原啓文土佐市長から、地域の安全性が高まることに期待と感謝の挨拶がありました。
そして黒潮町。昨年34mの津波想定が発表されたときは、「もう何をやってもムダ」と諦めの声が強かったそうです。しかし、大西勝也町長をはじめとする町の全職員約200人が、各地区を回って少人数で話し合いを実施。世帯ごとにどのように避難すればよいかというカルテを作成しています。その結果今では、「よし、防災・減災に取り組もう」と意識が前向きに変わったそうです。町長からは、「ソフト対策は続けていくが、高台の避難場所や海岸堤防などハード対策が緊急に必要」と要望を受け、高台を「命の山」として整備することなど今後の対策を協議しました。
その後、中山間地の集落活動センターに行き、地域の皆さんの活動を視察しました。
広範囲で甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震。ハード、ソフト両面での対策が各地で進むよう、しっかり取り組みます。