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いずれも世界最高の知性の6人が率直に語る。視点が高く、深い。そして科学的、哲学的、真実へのあくなき追求姿勢、しかも謙虚さに感動する。吉成さんの卓越したインタビュー、まとめる力に、感謝したいほどだ。

「人生に意味などというものはない。われわれはただ存在するというだけのことだ」「西欧の覇権は民族の能力の違いによるものではなく、単なる地域的優位性の結果だ」という生物学・生理学のジャレド・ダイアモンド。「全ての言語にはその深層に共通する文法が存在し、人間は言語の基本文法を生得的な器官として持って生まれてくる」と語る言語学者ノーム・チョムスキーは、市場主義や覇権主義を批判する。

脳神経学・精神医学のオリバー・サックスは、「教育で大事なことは、先生と生徒のポジティブな関係であり、教えている内容への先生の情熱である」といい、音楽と言語に言及しつつ、人間存在の究極に迫る。人工知能分野を開拓したマービン・ミンスキーは「なぜ福島にロボットを送れなかったか」と科学の方向性の転換を語る。数学者トム・レイトンはインターネットの最先端で繰り広げられるサイバー戦争等を語り、世界の変容や危険性、その解決方法について自らの起業にもふれつつ語っている。分子生物学者、DNA二重らせん構造の発見者ジェームズ・ワトソンは、「最もエキサイトしている事柄は何か」と問われ、「ガンを治すことです」と即答する。

いずれも生命、哲学、宗教が語られ、推薦図書まで上げている。刺激的な書だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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