4月24日午後、国交省で「水災害に関する防災・減災対策本部」の会議を開催し、集中豪雨、洪水などに備えた「タイムラインの作成」「地下街対策」の2つの対策を打ち出しました。わが国では初めての取り組みです。
まず「タイムライン」の作成。
例えば台風が日本に接近してくるような場合は、事前に事態の予測がある程度可能ですが、わが国では時間軸に沿った防災行動計画は作られていません。アメリカでは、一昨年にニューヨークを襲ったハリケーン・サンディの際、「上陸2日前には避難所を準備する、36時間前には避難勧告を出す、1日前には地下鉄を止める」といった時間軸に沿った計画(タイムライン)に基づき対応し、被害軽減に大きな効果がありました。大被害をもたらしたハリケーン・カトリーナの教訓からです。
災害対策、避難勧告等で日本でもこのタイムラインの考えを導入しようと私は考え、時間軸に沿ったタイムラインの作成を決定しました。気象庁や地方自治体と連携し、早めに交通機関を止めたり避難を促すなど、分かりやすく有効な対策が可能になります。例えば昨年10月の台風26号による伊豆大島の災害では、夜間に豪雨が襲いましたが、タイムラインがあれば明るいうちから避難することが可能です。
そしてもう一つは、地下街や地下鉄への対策。
東京は世界でも他に例を見ないほど、ゼロメートル地帯に地下鉄や地下街が広がっています。昨年フィリピンを襲ったスーパータイフーン(最大瞬間風速90m)が今後日本を襲うことも考えねばなりません。洪水や高潮でいったん浸水すると、地下空間全体に広がり、被害は想像を絶するほどになります。このような事態に備え、地下鉄事業者や地下街・ビルの管理者が連携して対策を打って行くよう、わが国初めての方針を決定しました。
まもなく出水期。近年の災害は局地化、集中化、激甚化しており、万全の備えが必要です。緊張感をもって対策を強化していきます。