4月29・30日、長崎県の対馬に行き、中村法道知事、財部能成対馬市長とともに島内を視察しました。
対馬は韓国の釜山までわずか50㎞の国境離島。古代から日本と朝鮮半島との交流の最前線に立ってきました。また、元寇や朝鮮通信使、日露戦争の対馬沖海戦など歴史の舞台となってきました。
近年は韓国からの観光客が急増。4年前は約5万人でしたが、昨年はなんと約20万人になりました。釜山から高速船やジェットフォイルを利用して島を訪れ、豊かな自然の中で釣り、トレッキング、サイクリングや買い物を楽しんでいます。この日もちょうど到着した船から多くの韓国人旅行客が訪れ、インバウンドの活気がありました。また島を回ってみても、リアス式海岸の海や山の美しさ(対馬だけのツシマヤマネコがいる)、緑の鮮やかさを実感しました。
一方で、外国漁船の密漁や密航・密輸に対する警備は重要課題。海上保安庁による国境警備は、昼夜なく緊張感が必要な仕事です。「我が国の領海、EEZを守り、国民生活の安全・安心を守るために頑張ってほしい」──対馬海上保安部で職員を激励しました。
知事、市長との意見交換では、「人口減少や高齢化が進んでいるが、国境離島に人が住み続けることが大事。定住促進の支援をお願いしたい」「道路や港湾の整備のほか、船や航空の運賃割引を」「外国人観光客受け入れのCIQ(税関、出入国管理、検疫)体制の充実が必要」など、国境離島特有の課題について要望を受けました。
国境離島が置かれた状況を把握する有意義な視察となりました。課題解決に向けてしっかりと取り組みます。