

拡大する西之島を無人調査艇「マンボウⅡ」で調査――。小笠原諸島の西之島は、一昨年11月の海底火山の噴火以来、流れ出す溶岩流により、噴火前の約12倍、東京ドーム約58個分にまで拡大を続けています。また、7月6日には新たな噴火口が形成されるなど活発な活動を続けています。
10日、西之島周辺海域の火山活動や海底地形を調査・観測している海上保安庁から、調査状況の報告を受けました。
海底地形の観測・調査は領海警備や船舶の航行安全の確保などとならび、海上保安庁の重要な業務です。これまでは航空機により、上空から火山の噴火や島の拡大の状況を観測してきましたが、6月22日から7月9日までの間、総トン数3,000トン、全長98メートルの大型測量船「昭洋」を派遣し、「海底地形」「地殻構造」について詳細な調査を集中的に実施しました。
測量船の入れない島の中心から4キロメートルは、「昭洋」から無人調査艇「マンボウⅡ」を操作し、調査。船に搭載されたマルチビーム測探機を使い、海底地形や溶岩の噴出量などを詳細に調べました。また、「昭洋」は海底地形の状況に加え、エアガンにより発生させた人工的な地震波の海底下の伝わり方を解析することで、マグマ溜まりなどの海底下の構造を調べました。調査の結果、火山活動は依然活発であり、今後とも島の拡大は続くものと見込まれます。
西之島の活動は新たな大地を生み出すダイナミックな地球の営みとして、学術的な価値も高く、世界中から大きな関心を集めています。今後ともしっかりと調査・観測をしていきます。
