
「『イスラム国』よ、と心の中で呼びかけながら、この本を書き始めました」と書いてある。しかし、同時に「こちら側」にも呼びかけている。それは「侵略、戦争、貧困、格差、世界の構造が"イスラム国"的なものを生み出しやすくした」「暴力に対し暴力で制圧しようとしてきたことで、ますます非道な暴力が燃え広がり出している」「戦争は死者を生み、貧困を生み、そして貧困が憎しみと戦争を生む」「貧困を減らし、戦争をしないことが大事」「非暴力、人道支援という手段でいきたい」「非道な暴力に対抗するには"力"と"愛"、このふたつのバランスが必要だ。・・・・・・"力"よりも何十倍も大きな"愛"の手を差し伸べることが大切だ」・・・・・・。そして「聴診器でテロとたたかう」「一番大切なのは非軍事支援」という。
イラク戦争の停戦直後、イラクへ入って感じたことは「民生の安定が平和の礎」「早く生活を取り戻せるような支援を」ということ、そして鎌田さんの「力と愛のバランス」ということだ。