増田さんの「地方消滅――東京一極集中が招く人口急減」と、冨山さんの「なぜローカル経済から日本は甦るのか――GとLの経済成長戦略(通称GL本)」の両著は昨年、すぐれたというだけでなく、地方創生戦略に大きな影響を与えた。私も国交省の「国土のグランドデザイン2050」と「インフラ・ストック効果」の2つを交えて、増田さん、冨山さんとそれぞれ対談を行った。
時代、社会は動いている。変化している。東京も地方も、そして日本も、「人口減少」「高齢化」「迫る大災害」「グローバリゼーションのなかでの都市間競争の激化」「進むICT」等々を凝視し、今、戦略的に対応しないと生き残れない。「GとLは違う」「地方で人出不足の時代が来ている」「生産性を向上できれば、賃金が増え、夫婦で500万の年収が得られるようにできる」「その生産性向上の余地があるのは圧倒的にローカル経済圏だ」「データに基づいて考えよ。デマに惑わされるな」「企業の生産性向上は安い賃金の雇用や失業によっての時代とは異なる。人出不足の時代の生産性向上、地方発のイノベーションの時代だ」「地方創生は中央創生」・・・・・・。3人で活発に対談しているかのように読んだ。