海上自衛隊元横須賀地方統監。2011年の東日本大震災において海上自衛隊災害派遣部隊(海災部隊)の指揮を執った。防衛大学校、海上自衛隊の現場のなかで、体に刻まれた指揮官のあるべき姿・資質、連綿と受け継がれている精神を描いている。
「きちんと任務を遂行する。かっちり仕事をするのは誠実で使命感のある人だ」「指揮官の役割は部隊が持つ潜在的なエネルギー(人や装備の総合力)を最大限に引き出して組織として力を発揮することだ」「指揮官は、富士の裾野に咲く、一輪の花や雑草の心が理解されなければいけない」「上から目線ではなく、常に鳥瞰を忘れてはいけない」「優しいだけでは部下は育たない」「マニュアル人間やマニュアル組織を作らない。応用動作ができる人、応用に強い人。それには基本に忠実であることが、応用動作への最短距離である」「指揮官の心得――誰よりも耐え、誰よりも忍び、誰よりも努力し、誰よりも心を砕き、誰よりも求めない」――。その通りだ。