月刊「文藝春秋」に毎月、連載している「新世界地政学」の2011年7月号から2016年2月号までのうち51本を選んだもの。
今年も世界の政治・経済の変動は激しく、大きく波立つなかでの日本丸の舵取りはきわめて重要。「地理や歴史、民族や宗教、人口や気候(温暖化)が世界政治を動かす要素としてこれまで以上に重要」となっている。金融・株式市場も、観光も、ロボットやドローン等の科学技術も、ICTやIoTも、世界を舞台として激変する毎日だ。
日本が戦略的な「駒」として利用され、翻弄されないように「地政学的直視力を身につけよ」という。「米国の衰退と今年の大統領選(本書の2012年大統領選の分析は的確)」「2050年のアジアでは日本は人口列強G7に入っていない」「中国の台頭と中国の夢」「日本の危機と組織文化(危機対応の際の最大の敵は、悲観主義、敗北主義)(メード・インサイド・ジャパン)」「『新たな中道保守』を構築せよ」「未来地政学2030」「静かな抑止力」・・・・・・。日本のとるべき選択を浮き彫りにする。