27人の有名な女性の「人生における転機」となった年齢にスポットを当てる。よくある武将の列伝や近代日本を創った経営者の列伝は大体常だが、女性を描いて面白い。「多くの女性達の転機を見ていると、彼女達は皆、転機を利用することが上手」「荒波に呑み込まれたとしても、彼女達は必ず浮かび上がってくる」「荒波に呑み込まれたからこそ、そこで浮かび上がる術を覚えた、と言いましょうか」と酒井さんは言う。
27人に共通項があるかと思えば、そうでもない。宇野千代のように健康で、明朗。「人でも着物でも文学でも『好き』だと思ったら、一気にそちらに駆けていく」「『好き力』とでも言う力が、人並み外れて強い人」もいれば、オードリー・ヘップバーンのように「彼女は常に自信のなさを抱えていた。容貌にも・・・・・・」「人前に出るとどうしようもなく緊張してしまうという性分は一生変わらなかったようです」という人もいる。山口百恵のように「鮮やかな引き際で、1人の女房として意志を貫く人」もいれば、「あれもこれも貪欲に手をいれ、むしろ結婚後に女を上げ、そこまで頑張る聖子ちゃんは偉いとファンに言わしめる人」もいる。
同時代を生きる清少納言と紫式部、早く逝った金子みすゞと樋口一葉、マドンナとレディー・ガガ、マザー・テレサとマーガレット・サッチャー・・・・・・。27人の女性偉人が並ぶと1人1人が対比のなかでも鮮やかに増幅する。真摯に人生に向かいあった様々な生き方、生き様はまさに偉人だ。