2020年の首都環状道路の姿道路の渋滞解消は、車を運転する者にとっても、企業活動においても、ひいては経済成長にとってもきわめて重要です。日本全体の渋滞による損失は年間12兆円に上り、1人あたり年間30時間の時間損失との試算もあります。私は渋滞解消に力を注いできましたが、新たに道路をつくるだけでなく、「知恵を出す」「賢く道路を使う」ことが大切です。

昨年3月7日、首都高速の大橋JCTから大井JCTまでが開通し、新宿から羽田空港までの所要時間は、約40分から20分に一気に短縮されました。それと同時に注目されるべきことは、この開通により、都心の交通量が5%減り、なんと渋滞は50%減となりました。日々都心で車を走らせている人は、この効果を実感されていることだと思います。(実際、首都高速の3か月後の整備効果調査では76%のドライバーが所要時間の短縮を感じると答えている)

昨年の12月25日、慢性的に渋滞していた中央高速上り線の調布ICから三鷹バス停の区間。このうち約3キロ区間に付加車線を設けて(路肩を使用)、3車線化させました。私が国交大臣のときに、公明党からの要望を受けて進めたものです。道路を全面的に拡幅するのではなく、道路左側の路肩を活用、かつ非常駐車帯を設置するという現実的な方法で渋滞緩和に取り組んだものです。この3か月、渋滞の長さは短くなっています。更なる改善を今、工夫しています。

中央環状板橋JCT.jpgさらに今年の2月末、首都高速中央環状線内回りの板橋JCT合流部分の車線改良が実現しました。中央環状線の内回り滝野川入口から5号線上りへの合流部分は、合流部の300メートル前から2車線が1車線に狭められていたため、ここで常に渋滞が発生していました。そこでこのほど、1車線になった所の両側のゼブラゾーンを廃止し、5号線上りの合流部まで2車線で行けるようにしました。私が首都高と協議を重ねてきたものですが、その後1ヶ月、こうした知恵によって渋滞は見違えるように解消されました。

また昨年10月30日、海老名JCTでも東名高速から圏央道外回りへの連絡道路でひどい渋滞が発生していました。ここでは、区画線を1車線から2車線に変更することで合流部分の激しい渋滞が完全に解消され、大きな効果が得られています。運送業者からも「大変助かった」と喜びの声が寄せられました。

さらにこの3月末、首都高速5号線中台料金所の改良が行われました。この中台料金所は朝の時間帯は中台入口の下の一般道路まで渋滞が続いていましたが、この改良でかなり緩和され、利用者から、「ビックリするくらい渋滞が緩和されました」とうれしい声がありました。

渋滞解消はきわめて重要な問題。道路の拡幅や新設だけでなく、さまざま柔軟な工夫を促しています。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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