地方都市を考える.jpg「『消費社会』の先端から」と副題にあるが、大都市の従属としての地方都市ではなく、大都市以上に地方都市が「消費社会」の先端にあると指摘する。問題意識は"人口減少・高齢化"とか"地方消滅"ではなく、より深く「わたしたちが幸福であるために、地方都市は本当に必要か」「わたしたちにとって望ましい暮らしは地方都市の存在と深くむすびついているようにみえる」「大切になるのは、地域に固有とされる伝統や、地方生活のたんなる経済的気楽さではない。それ以上に重要なのは、消費社会の浸透とともに、地方都市に私的な欲望の追求を肯定する場がますます拡がっていることである」という。

そこでY市を具体的にモデルとしつつ、「空き家問題」「都市の感覚水準――高層マンション(新しい設備を備えたマンション・家がほしい)」「鉄道」「自動車と街の更新」「メディアや観光やまちづくり」「ロードサイドビジネスやショッピングモールと消費社会」「ローカル経済」「流動化する労働」などを分析。地方都市の消費にかかわる多様な「現在」の姿をあきらかにしている。

「コンパクト+ネットワーク」「対流促進型国土形成」を考えてきた私として、現状を如実知見する考察は学ぶもの大だった。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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