日本人はどこへ向かっているのか.jpg2012年から3年余、雑誌「潮」や読売新聞等で発表してきた文章をまとめたもの。この間、世界も日本も政治・経済・社会の激動が続いたが、その激動の底流にある人間、人心、文化、文明の大きな変化から解き明かしている。まさに如実知見。哲学と教養が心奥に届き響く。掲載された都度、「『持続可能な成長』を脱却する」の定常型社会論をはじめとして、安倍総理とコピーをもとに話し合ったことも多々ある。現代社会の本質を剔り、その確たる動体視力が素晴らしい。

「高学歴・低学力という病弊」「世は無常であることを痛感するがゆえに、今日を常の通りに生きようとする、という積極的無常観のすすめ(今日を深く味わう生き方)「混迷を極める"道徳感情"」「"介護の社会化"が家族を救う(新しい家族関係)」「(科学技術の進展のなか)だからこそ今必要なのは人間とは何かという哲学」「戦争を起こし、一転して再び平和な日常に回帰した日本人の"律儀"と呼ぶ倫理感覚」「目を覆う高学歴・低学力化を変えるには、まず義務教育の再構築」「教養と知的能力を備えた社会人を育てるに十分な教育を」「人生十年先延ばし論」「国立戦没者追悼施設のための議論を」「ポピュリズムとナショナリズム」「若者の労働観を抜本的に変える教育を」「18歳選挙権とそこに欠落している権利は勝ち取るものだという歴史の教訓」「戦争犯罪を詫び続ける理由」「知的エリートによる戦後復興」「人類史的大転換に知的に衰弱した日本社会は対応できるか」「煽情的な政治運動、ポピュリズム的な大衆感情をいかに賢明に防げるか」「政治に知性の安全弁を」――。この哲学不在の時代、いずれも改めて感銘を深くした。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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