皇室がなくなる日.jpg「『生前退位』が突きつける皇位継承の危機」が副題。有識者会議のヒアリングでも発言している笠原氏。「日本人にとって皇室のもつ統合力はいつの時代にも不可欠である」「今日もなお、天皇や皇室は社会秩序の安定化に資する重要な役割を果たしている。・・・・・・いつ国家的危機が到来するかわからない。『日本国民統合の象徴』である天皇の存在意義はここにある。国家の存亡にかかわる天皇の統合力を軽視することはできない」「わが国の歴史上、天皇は政治的宗教的権威であり、政治権力を行使する政権を権威化し、その施政に正統性を付与することで、政治的コストを低減し政治秩序を安定化する役割を果たしてきた」「退位の制度化により憲法が定める象徴としての国民統合の機能が低下するおそれがある」「天皇の権威の二元化、二重権威、強制的退位、恣意的退位の懸念があり、統合力の著しい低下は免れない」「人心離叛した幕府の失政を批判した岩倉具視は『人心ノ収攬』を訴え、天皇、皇室の統合力に期待を寄せた」・・・・・・。

本書は歴史を俯瞰し、特に7世紀。皇極女帝、天智天皇、天武天皇、持統女帝、藤原不比等、乙巳の変、壬申の乱等を通じ、天皇制国家の成立と皇位継承を示している。そして次に、幕末から明治への激動のなかでの幕府と天皇を、孝明天皇、和宮降嫁、大政奉還、岩倉や大久保、王政復古、明治憲法体制と旧皇室典範を解説する。そして「皇統の危機に直面する現代の日本」として、象徴天皇制度と現行皇室典範、天皇の統合力・権威と皇統の意義等を語り、現状を剔抉する。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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